川田氏の言葉としてのマッシュアップ
もはや川田氏の匂いまで覚える言葉にまでなったものにマッシュアップがある。それは、氏自身の活動によって意味が拡張されている言葉だといえるが、だからといってその拡張する範囲にあぐらをかいていればあっという間に圏外へと弾き出されてしまうから、時々はその密度を構成でもって確かめる必要がある。ではどうやって?ということだが、その分かりやすい方法のひとつは、このカタカナをひらがなに置き換えてみるということだ。
すると、一言で置き換えられそうなものとして「組み合わせ」が浮かぶ。もちろん、これだけではまだまだ不足している。こうして程なく、ああそうか、マッシュアップって(組み合わせることによって)良くなることを前提にしているんだったな、と気付く。
具体的なものを思い浮かべると、さらに何がどう良くなるのかが考えやすい。つまり、ここで解釈を試みる「マッシュアップ=良くなるための組み合わせ」に寿命が与えられ、さらにその寿命を延長出来ることになる。早速タイムリーなことにちょうど良いものがあった。それはゲームだ。
ちょうど氏がこうして「ゲームセンターわたなべ」でゲームを楽しんでいることが分かったおかげで、この記事を着想するきっかけを得ることが出来た。前置きはこの辺で終了し、早速プレイすることにしてみよう。
よくなるための組み合わせの種類を考えてみる
- 個々の中にある「良い(と思われる)要素」を組み合わせる・・・まず浮かんだのがこれ。相対的というか、組み合わせる対象の中でも良い要素ということが良いという判断の前提となるだろう。
- 2つ(のゲーム)を重ねて1つのものとする・・・例えばエレベーターアクションとシティコネクションだったりゼビウスとタイムパイロットだったり、完全にそのまま1つとならなくても、なるべく個々の形式を残した組み合わせも考えられる。
- 2人で別々にプレイをして1つのものとする・・・別々の画面(モニター)を眺めながら、時には別々の画面内(シチュエーション)でプレイをしていくことが互いに関連し合って1つ(のゲーム)を導くというものもまた考えられる。あ、そんなゲームはとっくにあったか。でも、ここで挙げるのは「元々別のものとして作られたもの」だ(と気付くw)。なるほど、意外性にも「良い」ということと関連し合っているものがあるようだ。
気付き
さっそく、上記のグループ化というか細分化で気付くことで大事だなと思うことがあった。それは、「要素を組み合わせる(=結局これは別の" 新しいもの" を用意する度合いが強い)だけではなく、今あるもの同士を、なるべくそのまま一緒に合わせようとすることで生まれる良いものもあって、それだって新しいものなんだ。」ということだ。なるべく素材同士を活かそうとするカレーや料理にも似た話かもしれない。ともあれ、忘れてはいけない気付きがもうひとつあった。それは、前回の記事で紹介した橘川氏の次の言葉だ。当然ながら、またしても先に言われていた。というか、この言葉もまたこの記事の着想を担って下さっていたわけだ。
「今の時点でいいことはたくさんあるが、このまま行っても良くならない。今ある良質なものを集めて一緒にやろうよ!というのが未来フェスなんだ。」
ここでこの言葉を挙げると、「あれ、これは(上記1.同様)良い(と思われる)要素を組み合わせるマッシュアップであって、なるべくそのまま一緒に合わせようというのとは違うんじゃないの?」と突っ込まれるかもしれない。でも、ここでこそ自分たちの意思を表さずにどうするの?って思う。つまり、「いつまで他人事みたいに眺めているの?僕たちは、じゃがいもでもニンジンでもないんじゃないの?」と思うことになれば、誰かに要素を組み合わせてもらうものであるわけがない。
追記
既にこんな言葉も登場していた。
ウェアラブルコンピューティングっていうと、むつかしく考えがち。本来、衣服やユニフォームが持ち得ていたメディア的性質をどう残すのか。重要だと思う。
— 川田十夢 (@cmrr_xxx) 2014, 2月 18