Kを発音したくなったり、ならなかったりする。

knowの中には今が、knightの中には夜が含まれています。そんなことより、私が好きな人はローマ字にした際Kで始まる人が多いんです(あるいは多いknです?)。そうそう、傘もKでした。" Kといえばカフカの「城」の主人公が・・・" と口にしがちだった多感な頃よりは私も大人になった、あるいは自由になったと思いたい一心で開設しています。同じことしか書けないなら同じことを増やそうと思います。

部屋とシャツとアイロン

 あれば使って、その便利さにも慣れ、緩やかに使用回数が降下して低空飛行を続ける、そんな類にアイロンがある。それまではクリーニングを利用していて、時間を買っているくらいの感覚で、アイロンの購入は考えていなかった。今の部屋に住むようになって、スペースに余裕が出たからか、何となく思い付いて買ったのが3年くらい前か、気付けば、このような動きをしつつある。クリーニングに出したら結構高いなと感じる、いわゆるワイシャツやドレスシャツではないシャツの方が着る頻度が高いので、大変重宝している。もちろん、洗いざらしの、皺も味のシャツを着ることも多いので、アイロンの有無とは無関係な場合もある。でも、自分に都合の良い解釈ではあるが、ハンカチやトートバッグもアイロンを使う方が、これまでよりも嬉しそうな表情に見える。
 もっとも、アイロンが身近だったことがないわけではない。幼少時から高校時代に至るまで、父親がアイロンをかける姿は当たり前の光景だった。大きなアイロン台を使用して、子供の目にも上手と分かる、それは見事な手さばきだった。アイロンの熱で漂ってくる糊と蒸気の香りも、嫌な類ではなかった。自室で、キーピングを使用してその香りを嗅ぐと、父親の部屋が少し蘇ってくる。これもまた熱による転写だなと思う。
 今晩は、20分程度の時間で、ワイシャツ2枚、ドレスシャツ1枚、それ以外のシャツ2枚をアイロン掛けした。なかなか、手際良くなってきたと思う。当初は、30分で2枚か3枚だったのだ。
 最高の春日和なのが一目で分かる一日だったが、昨日に続き、部屋の中で過ごしている。出掛けずに、かつて身近だったことを実行するのも、最高!とまではいかないが、それなりに楽しく思えてくる。こういう度合いの楽しさは、誠実というか信用を覚えるものだ。アイロンからのあの微かな香りにも似ていなくもない。