Kを発音したくなったり、ならなかったりする。

knowの中には今が、knightの中には夜が含まれています。そんなことより、私が好きな人はローマ字にした際Kで始まる人が多いんです(あるいは多いknです?)。そうそう、傘もKでした。" Kといえばカフカの「城」の主人公が・・・" と口にしがちだった多感な頃よりは私も大人になった、あるいは自由になったと思いたい一心で開設しています。同じことしか書けないなら同じことを増やそうと思います。

直線

 湿度も少ない、程良い五月晴れの日に、断酒の効果も加わり始めているのか、肌の血色や髪の毛の勢いもまた程良い感じで、「年齢も年齢なのだから、そんなの気にするな」という声は重々承知の上だが、やはり楽しい気分になる。連日飲んでいると、いつの間にか、肌が荒れ、髪の毛の癖が強くなるようになって久しい。
 髪の毛で、以前考えていたことを記録していなかったと思い出した。それは、多分に主観だろうが、1970年代は、ゆるくウェーブが掛かっている髪が多いことはあっても、定規で引いたような直線の髪の毛、髪型は少なく、それに対し80年以降は、そんな曲線寄りの時代から急速に直線寄りの時代に変わっていったのではないか?というものだ。
 この背景には、髪型をドライに強く固定する整髪料の普及、具体的には今でいうハードジェルの普及が関係しているように思う。デップという呼称で囁かれ始めた時期がちょうど80年代だったと思う。本当かどうかの判断にあたって、裏付けとなるデータが傍にあるわけではないから、どこまでも主観の主観だが、80年代以前の方が、直線である方が自然な気もするので、逆転現象のようで奇妙な印象も覚える。というのも、乱れた感じ、整っていない感じの方が、近年にかけて上昇してきた傾向だと思ったからだ。
 さて、五月晴れといえば、いくら旅を続けていても、より一層旅に出たくなる天気だが、旅先では木を見ることが多い。至る所に林立してくれているおかげで、木を見て木を見るのような時間を過ごしていると、「森を見なくてもいいじゃないか?」と一人で自分に突っ込んでいることがあった。この木だが、多くの場合、定規で測ったような正確な直線でないとしても、視覚的には立派な直線で、「よくまあここまで見事な直線で真っ直ぐに伸びたものだ」と驚くことも多い。彼らも整髪料に相当するものを欲しがったりしているのか?と思った。本当は、パーマのようにウェーブを描きたい場合もあるのに、それが叶えられずに今日までとか、可能性はゼロという自信はない。